働きたくても仕事がない、生活費が足りずに食べていけないといった人は、厚労省で行う生活支援のひとつである生活保護を受給するという方法があります。
2022年7月には、全国の被保護世帯数は1,642,399件、被保護実人員は2,023,635人にのぼり、保護率は1.62%でした。
データ:厚労省 被保護人員・保護率・被保護世帯数の年次推移
とはいえ「生活保護は恥ずかしい」「申請しようとしたが取り合ってもらえなかった」という悩みも。
生活保護を受けることができれば、金銭的な心配だけではなく、精神面の不安も軽減できるでしょう。
資産なしでもらえる生活保護費は最低10万円程度から

生活保護費は国が定める最低生活費に満たない場合、その差額を支給する制度です。
生活に関する費用は個人の環境によって異なることもあり、年齢では11区分、居住地では6区分など細分化されています。

それぞれ最低金額で試算した場合の生活保護費は下記のとおりです。
【75歳 3級地-2】
生活扶助 | 61,560円 |
住宅扶助 | 34,000円 |
合計(生活保護費) | 95,560円 |
もっとも支給額が小さいのは75歳以上です。以前は年齢による金額差は最大1.5倍ありましたが、法改正により格差は縮まりました。住宅扶助は生活しているエリアによって受給額が異なり、これを「級地制度」といいます。
最低生活費は食費や光熱費などを支給する生活扶助と、住む場所を確保する資金の住宅扶助で成り立っており、今後の生活で必要になる出費に応じ追加で扶助を受けられます。
生活保護には次の8つの扶助項目があり、受給者の状況に応じて受給できます。
生活扶助 | 日常生活に必要な費用(食費、被服費、光熱費など) |
住宅扶助 | アパートなど賃貸物件の家賃(決められた範囲内で実費を支給) |
教育扶助 | 義務教育を受けるために必要な学用品費(決められた範囲内で実費を支給) |
医療扶助 | 医療を受けるための費用(医療機関へ直接支払われる。本人の負担なし) |
介護扶助 | 介護サービスを受けるための費用(介護事業者へ直接支払われる。本人の負担なし) |
出産扶助 | 出産にかかる費用(決められた範囲内で実費を支給) |
生業扶助 | 就職に必要な技術習得などにかかる費用(決められた範囲内で実費を支給) |
葬祭扶助 | 葬祭にかかる費用(決められた範囲内で実費を支給) |
生活保護受給額をシミュレーション
生活保護費は、同じ家族構成であっても住んでいるエリアによって受給額が異なり、地方より都市部の方が高額になります。
というのも、都市部は物価が高く生活水準も高い傾向があるため、公平性を保つために金額が調整されています。
エリアごとの区分けは、「級地制度」により「1級地-1」から「3級地-2」までの6つに分けられており、「1級地-1」が最も都市部で受給額が高額になります。
参考までに、それぞれの級地区分に該当する市区名の例を紹介します。
級地区分 | 市区町村の例 |
1級地-1 | 東京23区、さいたま市、横浜市、名古屋市、大阪府、神戸市など |
1級地-2 | 札幌市、所沢市、千葉市、横須賀市、宇治市、岸和田市、広島市など |
2級地-1 | 川越市、伊勢原市、静岡市、豊橋市、奈良市、長崎市など |
2級地-2 | 夕張市、日立市、富士市、宇部市、佐世保市など |
3級地-1 | 弘前市、行田市、成田市、飯田市、舞鶴市、米子市、萩市など |
3級地-2 | 「3級地-1」までに該当しなかった市町村 |
お住まいの地域を知りたい方は厚生労働省 級地区分表(平成30年10月1日現在)をご覧ください。
下記では級地区分によって受給額が異なるため、同じ世帯構成で「1級地-1」、「2級地-1」、「3級地-1」に該当する3つの市区で比較してみます。
3人世帯(夫45歳・妻45歳・子ども15歳)
夫45歳・妻45歳・子ども15歳の3人世帯の生活保護費を、東京都足立区(1級地-1)、大阪府泉佐野市(2級地-1)、静岡県富士宮市(3級地-1)でシミュレーションします。
【東京都足立区(1級地-1)】
生活保護費 | 月額 233,206円 |
生活扶助 | 153,216円 |
住宅扶助 | 69,800円 |
児童養育加算 | 10,190円 |
【大阪府泉佐野市(2級地-1)】
生活保護費 | 月額 198,606円 |
生活扶助 | 139,416円 |
住宅扶助 | 49,000円 |
児童養育加算 | 10,190円 |
【静岡県富士宮市(3級地-1)】
生活保護費 | 月額 191,210円 |
生活扶助 | 132,720円 |
住宅扶助 | 48,300円 |
児童養育加算 | 10,190円 |
同じ世帯構成であっても級地区分によって受給額が異なることがわかります。
特に、1級地-1の東京都足立区と3級地-1の静岡県富士宮市とでは、生活扶助で約2万円、住宅扶助で約2万円と、合計約4万円もの差が出ています。
シングルマザー世帯(母35歳、子ども6歳、3歳)
3歳と6歳の子どもふたりを育てている35歳のシングルマザー(35歳)世帯が受給できる生活保護費は下記のとおりです。
【東京都足立区】
生活保護費 | 月額 259,310円 |
生活扶助 | 145,530円 |
住宅扶助 | 69,800円 |
児童養育加算 | 20,380円 |
児童養育加算 | 23,600円 |
【大阪府泉佐野市】
生活保護費 | 月額 227,180円 |
生活扶助 | 136,000円 |
住宅扶助 | 49,000円 |
児童養育加算 | 20,380円 |
児童養育加算 | 21,800円 |
【静岡県富士宮市】
生活保護費 | 月額 218,590円 |
生活扶助 | 129,710円 |
住宅扶助 | 48,300円 |
児童養育加算 | 20,380円 |
児童養育加算 | 20,200円 |
なお、「児童養育加算」は高校生までの子どもがいる世帯に加算されるもので、子どもの年齢によって金額が異なります。
高齢者ひとり世帯(70歳男性)
生活保護を受給している世帯には、高齢者のひとり暮らしというケースもあります。
70歳男性がひとり暮らしをしている場合の生活保護費は下記のとおりです。
【東京都足立区(1級地-1)】
生活保護費 | 月額 127,920円 |
生活扶助 | 74,220円 |
住宅扶助 | 53,700円 |
【大阪府泉佐野市】
生活保護費 | 月額 107,530円 |
生活扶助 | 69,530円 |
住宅扶助 | 38,000円 |
【静岡県富士宮市】
生活保護費 | 月額 103,840円 |
生活扶助 | 66,640円 |
住宅扶助 | 37,200円 |
生活保護を受給できる4つの条件

生活保護を受給できるのは、次の4つの条件をすべて満たしている人です。
- 持ち家や車などの資産を所有していない
- 病気など働けない理由がある
- 年金など他の公的制度を利用しても生活が苦しい
- 親族からの援助を受けられない
厚生労働省では、生活保護を受給する前にまず、所有している資産や生かせる能力、利用できる公的制度、援助可能な親族を優先し、それでも生活が苦しい場合に受給できると定めています。
持ち家や車などの資産を所有していないこと
生活保護を受給する前に、生活に利用していない土地や住宅ローン返済中の持ち家、車などがある場合は、まずそれらを売却して生活費に充てる必要があります。
売却をすすめられる資産は、以下のようなものがあります。
- 生活に利用していない土地
- 自動車、バイク
- 貴金属、ブランド品
- 民間の保険
生活保護を申請すると、ケースワーカーによる資産の調査が行われ、上記のような「必要最低限の生活を送るために必要ないもの」と判断される資産は売却をすすめられます。
例外的に所有が認められるもの
しかし、資産の中には、無いと生活自体が成り立たなくなるものもあるため、例外として所有が認められるものもあります。
たとえば、預貯金は最低生活費(人が生きていくために最低限必要なお金。世帯人数や所得等で決まる)の半額以下であれば基本的に所有することが認められています。
また、子どもの学費や介護に必要な費用なども認められるケースがあります。
さらに、車についても公共交通機関のないところに住んでいる場合や、病気や障害を持っているため移動に車が欠かせないといった特別な事情がある場合は、所有を認められることがあります。
ちなみに、持ち家は住宅ローンの返済が完済している場合や、古すぎて価格が付かない場合などは所有が認められます。
病気など働けない理由があること
病気やケガのために働けず収入がない人や、働いていても収入が少なく最低限の生活を維持できない人も、生活保護の受給対象者となっています。
ただし、自己申告だけでは認めてもらえない可能性があるため、医師の診断書を提出するように求められることもあります。
特にうつ病などの精神疾患の場合は、一見して判断しづらいため医師の診断書が有効です。
また、本人の健康状態は良好でも、幼い子どもを育てているシングルマザーや家族を介護している人など、働けない事情がある場合も生活保護の対象になります。
ただし子どもが成長したり介護が不要になったりした場合は、生活保護の対象外になるため忘れずに申請しましょう。
後に詳しく解説しますが、不正受給すると受給が停止されるだけでなく、受給した生活保護費の返還を命じられることもあります。
年金など他の公的制度を利用しても生活が苦しいこと
お金に困ったときに役立つ公的制度は、生活保護だけではありません。
ほかにもさまざまな救済制度や貸付制度があり、それらを利用してもなお最低生活費に満たない場合に、はじめて生活保護の受給対象となります。
たとえば、次のような年金給付を受けられれば生活保護よりも優先して利用されます。
- 老齢年金
- 障害年金
- 遺族年金
また、次のような公的融資制度や扶助制度の利用も優先して利用するよう求められます。
- 雇用保険失業給付
- 求職者支援制度
- 生活福祉資金貸付
- 住居確保給付金
- 母子父子寡婦福祉資金
これらの制度を利用しても生活が厳しい場合に、「最後のとりで」として生活保護の支給が行われます。
親族からの援助を受けられないこと
生活保護を受給できるのは、扶養してくれる親族がいない場合や、親族も生活が苦しく扶養できる状態にない場合などです。
そのため、親族が扶養できる経済力がある場合は、生活保護よりもまずはそちらが優先されます。
生活保護を申請すると、福祉事務所から親族に対し「扶養調査書」が送付され、仕送りができるかどうかや同居できるかどうかなどが調査されます。
なお親族とは配偶者と3親等以内の親族が該当し、具体的には以下の人です。
- 両親
- 別居中の配偶者
- 祖父母
- 子ども
- 兄弟姉妹
- 孫
- 叔父叔母、めい、おい
DVや虐待を受けていた場合は調査を省略できる
配偶者からDVを受けていた人や、親や子どもなどから虐待・暴力を受けていた人などは、福祉事務所に相談すると例外的に扶養調査を省略してもらえます。
また、自分の現在の住所も知られたくない人は、ケースワーカーに相談すれば相手に伝えられる心配もありません。
生活保護の申請から受給までの流れ

生活保護の申請から受給までは、次のような流れで行われます。
- 福祉事務所での生活保護の申請
- ケースワーカーによる家庭訪問
- 扶養調査や関係機関への調査
- 審査結果の通知と受給開始
原則として、申請から受給までは14日以内とされていますが、資産調査に時間がかかった場合などは最長30日まで延長されます。
審査がスムーズに進むように、ケースワーカーの指導にはすみやかに従ってください。
福祉事務所での生活保護の申請
最寄りの福祉事務所に出向き、窓口で生活保護を申請したい旨を伝えます。
相談したその日に申請手続きをすることもできますが、事前に一度相談に出向いたり電話で相談しておいたりするのも良いでしょう。
担当者から現在の生活や経済状態などの質問を受け、その結果、「生活保護の支給が必要」と認められれば申請書を提出します。
生活保護の申請手続き
生活保護の申請書は特に決まった様式があるわけではなく、通常は福祉事務所から渡された申請書に必要事項を記入して提出します。
申請事項は主に以下のような項目です。
- 住所
- 氏名、性別、個人番号、年齢、生年月日(世帯全員分)
- 職業
- 健康状態
- 申請理由
申請理由については、あらかじめまとめておくと漏れなくスムーズに記入できます。
申請時に必要なもの
生活保護を申請する際には、申請書以外にも必要になる書類があります。
必要書類 | 具体的な書類名 |
---|---|
本人確認書類 | 運転免許証 マイナンバーカード パスポート ※いずれも顔写真の付いたもの |
収入申告書類 | 給与明細 年金手帳、年金証書 公的な給付金を受給していることがわかる書類 |
資産申告書類 | 記帳済みの預金通帳 登記簿謄本 生命保険の保険証券 車検証 |
その他必要な書類 | 医師の診断書 失業を証明する書類 離婚を証明する書類 障害者手帳 |
このような書類は提出を求められることがありますので、事前に準備しておくと良いでしょう。
ケースワーカーによる家庭訪問
生活保護の申請書を提出すると、ケースワーカーによる家庭訪問が行われます。
家庭訪問が行われる目的としては、主に現在の住居状態を確認することや、売却できる資産を所有していないかを確認するためです。また、人の出入りなどを調査されることも。
もし家庭訪問の際に、高級な家具や大型テレビといった必要最低限の生活を維持するために必要ないものがあれば、売却するよう勧められ、場合によっては審査に落ちる可能性があります。
ただし、タンスの奥まで細かくチェックするようなことはありませんので安心してください。
原則として、家庭訪問は拒否できるものではないため、素直に応じた方がケースワーカーからの心証が良くなるでしょう。
扶養調査や関係機関への調査
すでに触れましたが、親や子ども、兄弟といった親族に援助可能かどうかの扶養調査が行われます。
仮に「援助できます」といった回答がある場合は、その援助が優先され申請が却下されることもあります。
しかし、実際には回答の返信がないケースも少なくありません。
また、福祉事務所は金融機関に預金の残高照会できるので、現在の預金額やローンの利用残高なども調査されます。
審査結果の通知と受給開始
家庭訪問と金融機関への調査結果などから判断し、生活保護の受給が認められると「保護開始決定通知書」が送付されます。
保護開始決定通知書には、受給が認められた理由や支給額などが明記されています。
生活保護の受給開始
生活保護費は、申請の決定日ではなく「申請した日」にまでさかのぼった金額を受給できます。
自治体ごとの決められた支給日に、保護開始決定通知書に記載されていた金額が口座に振り込まれます。
なお、生活保護費は口座振込で行われることが多く、口座を持っていない場合は開設するように指示されることもあります。
申請が却下された場合
生活保護の審査に落ちた場合は、「保護申請却下通知書」が送付されます。
却下理由を確認したうえで決定に納得できない場合は、「不服申し立て」をすることで再審査を受けられます。
生活保護受給決定までのお金がない場合
生活保護を申請して受給が決定するまでは、原則14日で最長30日かかるため、その間の生活費がないという人もいます。
その場合は、厚生労働省の「臨時特例つなぎ資金貸付」を利用することで、受給開始までの生活費に充てられます。
臨時特例つなぎ資金貸付とは、生活保護などの公的給付制度を申請し受理されていて、給付が始まるまでの生活が苦しい世帯向けの制度で、最高10万円までを無利子・連帯保証人なしで借り入れできます。
ただし、生活保護を受給してから1か月以内に全額を返済(償還)しなくてはならない点には注意してください。
生活保護を受給する際の注意点

生活保護を受給する際には、注意すべきことや禁止行為があります。
資産がなく困窮している人に向けた制度なので、保護を受けなくても生活できると判断されれば支給されなくなる可能性があります。
受給中はローンやクレジットカードが利用できない
生活保護受給中は各種ローンを組めません。特にカードローンは手軽に利用できてしまうので注意が必要です。
また、クレジットカードも割賦払いのためローンと同じ扱いとなり、利用することはできません。
というのも、生活保護費は「自立した生活」を目指すことを支給目的としているので、借り入れの返済などに充てることが禁止されているためです。
審査なしで借りられる生命保険の契約者貸付も同様に借りられません。
そもそも、クレジットカードやローンを利用してまで高価なものやサービスを購入するのは、「必要最低限の生活を維持する」という考えに反します。
不正受給は支給停止に直結する
生活保護の申請時には、ありのままの状況を申告する必要があり、受給中も世帯人数の変更があったり収入が増えたりした場合、その都度報告する必要があります。
仮にこれらの報告を怠り、ルールを無視した金額を受給し続けた場合、「不正受給」として生活保護費の全部または一部を返還しなくてはならない可能性があります。
参考:生活保護法「第78条」
不正受給の主な例
不正受給の主な例を紹介しますので、以下のような行為には十分注意してください。
- 内緒で仕事を始めて収入が増えたことを報告しない
- 住宅や自動車を所有していることを隠している
- 申請書で届け出た人以外も住んでいる
- 世帯人数が減ったことを報告せずに従来通りの金額を受給している
なお、必要に応じて生活保護費支給の停止・廃止が行われることもあり、悪質なケースでは、告訴される可能性もあります。
生活保護受給に関するQ&A
これから生活保護受給を申請しようとしている人は、生活保護について疑問に思っていることや心配していることなどがあるでしょう。
たとえば、働きながら生活保護をもらえるのか、年金をもらっているけれど生活保護ももらえるのかといったように、それぞれの状況に応じて悩みや心配事も異なります。
そこで、生活保護受給に関してよくある質問について解説していきます。
生活保護を受給しながら働いてもいいの?
生活保護を受給しながら働けます。生活保護を受給しながら仕事をすることは可能です。
そのため、現在仕事をしていても収入が最低生活費に満たない場合は、不足している分を生活保護費として受給できます。
また、これまで生活保護費を全額受給していた人が仕事を始めた場合、収入を得た分は生活保護費が減額されます。
たとえば、最低生活費12万円だった人が7万円の収入を得るようになった場合、生活保護費は5万円に減額されるという計算です。
キャッシングでお金を借りるのは原則として認められません。
年金と生活保護の両方を受給できる?
年金と生活保護のダブル受給は可能です。
主な収入源が年金のみという高齢者で、年金受給額が最低生活費に満たない場合は、その差額分が生活保護として受給できます。
実際に、厚生労働省の「生活保護の被保護者調査」によると、生活保護受給世帯の約55%は高齢者世帯となっています。
ただし、親族に扶養してもらうことが優先されるので、審査の段階で「扶養調査書」が送付され調査を受けることになります。
また、「障害年金」を受給している場合も両方満額がもらえるわけではなく、最低生活費から障害年金の額を差し引いた金額が受給できます。
ただし、障害等級1級・2級の場合は、生活保護費に「障害者加算」がありますのでその分受給額が多くなります。
参考:厚生労働省「生活保護の被保護者調査(令和3年2月分概数)」
うつ病でも生活保護は受給できる?
うつ病などの精神疾患も受給対象です。
うつ病や統合失調症、双極性障害(躁うつ病)などの精神疾患にかかっている人も、生活保護の受給対象者となっています。
本人に働く意思があっても、脳の働きの特性上、感情や行動に過度な偏りがあるため就業は困難なケースがあるためです。
しかし、ひと目見ただけでは働けるかどうかの判断が難しいため、医師の診断書などを元にケースワーカーが判断します。
シングルマザーも生活保護を受給できる?
「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」の利用を勧められます。
シングルマザーでも生活保護を受給すること自体は可能ですが、まずは「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」を利用することを勧められます。
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度は、ひとり親や寡婦向けの無利子または低利子の融資制度で、生活資金だけでなく「修業資金」として子どもの学費などにも利用できます。
生活保護は、すべての制度を利用してもなお最低生活費に満たない場合の最後の砦といえる制度なので、まずは利用できる制度を活用するように勧められます。
そのため、厚生労働省の同調査によると、シングルマザー世帯の生活保護受給割合は受給者全体のわずか4.6%にとどまっています。
生活保護を受給していてもペットは飼える?
厚生労働省の生活保護の趣旨によると、ペットを飼うことについては言及されていません。
もとから飼っていたのであれば飼育する責任はありますし、ケースワーカーも認めてくれるようです。
しかし、飼育に関わる必要は生活保護費のなかで支払う必要があります。
また、生活保護を認定されたあとに新しく飼い始めることは、生活保護の要件から外れる可能性もあるため控えるようにしましょう。