ろうきんは、労働組合や生協の組合員が出資している金融機関で、預金や給与振込などのほかに働く人の生活に直結するローン商品も取り扱っています。

主に6つのローン商品を取り扱っており、ほかの金融機関よりも低金利でお金を借りられるので、キャッシングにおすすめです。
いずれも暮らしに役立つローン商品となっており、使い道に応じて適したローン商品を選べます。
各ローン商品の金利や借り入れ内容は下記のとおりです。
ローン名 | 金利(※1) | 内容 |
---|---|---|
カードローン (マイプラン) | 5.275%~8.475% | 借入限度額以内なら何度でも借入可能。資金使途は自由なので買い物やレジャー、冠婚葬祭など生活に必要なことに利用できる(※2)。 |
フリーローン | 変動:6.325% 固定:7.500% | 結婚費用や旅行費用、パソコン購入費用など幅広い費用に対応。他金融機関のローン借り換えにも利用できる(※2)。 |
住宅ローン (不動産担保型) | 変動:2.475% 固定:3.100% (いずれも標準金利) | 自己居住用の住宅や宅地の購入資金、新築や増改築・リフォーム資金に利用できる。 |
カーローン | 変動:3.675% 固定: 3.900% | 車やバイクなどの購入資金や保険・車検費用など車に関する幅広い費用に利用できる。他行やディーラーなどのカーローンの借り換えにも対応している。 |
教育ローン | 固定10年以内:3.400% 固定10年超:3.900% | 入学金や授業料のほか、受験料や留学費用など教育に関する資金を借り入れできる。他金融機関の教育ローンや奨学金の借り換えにも対応している。 |
福祉ローン | 変動金利:3.075% 固定金利:3.300% | 介護や入院に伴う費用、育児に関する費用、災害被災時の復旧のために必要な生活費などに利用できる。 |
※1 金利は一般勤労者が利用する場合に適用されるもの(2022年7月1日現在)
※2 事業・投機目的、負債整理、賃貸用不動産の取得、リフォーム資金等の利用は不可。
なお、ここで紹介した金利は一般の人(一般勤労者)が利用する場合のものを紹介していますが、ろうきんの団体会員の構成員や生協会員の組合員とその家族は、さらに低い金利で借り入れ可能です。
ちなみに、団体会員の構成員や生協会員の組合員とその家族とは、ろうきんに出資している団体に加入している人などが該当しますが、詳しくは後ほど解説します。
居住地または勤務地を管轄する店舗で申し込む

ろうきんは全国に店舗を展開していますが、どこの店舗でも自由に利用できるわけではありません。自分の居住地または勤務地を管轄している店舗でのみ申し込めます。
また、ひと言でろうきんといわれていますが、実は全部で13金庫に分かれており全国に606店舗を展開しています(2022年3月末日現在)。
各ろうきんの名称と管轄エリアは下記のとおりです。
北海道ろうきん | 北海道 |
東北ろうきん | 青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県 |
中央ろうきん | 茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・山梨県 |
新潟ろうきん | 新潟県 |
長野ろうきん | 長野県 |
静岡ろうきん | 静岡県 |
北陸ろうきん | 富山県・石川県・福井県 |
東海ろうきん | 愛知県・岐阜県・三重県 |
近畿ろうきん | 滋賀県・奈良県・京都府・大阪府・和歌山県・兵庫県 |
中国ろうきん | 鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県 |
四国ろうきん | 徳島県・香川県・愛媛県・高知県 |
九州ろうきん | 福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県 |
沖縄ろうきん | 沖縄県 |
ろうきんでお金借りるときは、住んでいるところまたは働いているところを管轄しているろうきんがどこなのかを調べます。
たとえば、神奈川県に住所がある人なら中央ろうきんで申し込します。
ろうきんでお金を借りられる2つのローンは生活費に使える

生活費などが足りないとき、ろうきんでは2つのローンを利用できます。
ひとつはろうきんカードローン(マイプラン)でもうひとつはフリーローンです。これらは、使い道が自由なローン商品なので、生活費を補填する際に役立ちます。
カードローン(マイプラン)とフリーローンのどちらを利用すれば良いのか迷ってしまう人もいるでしょう。
両者には借入回数や金利、返済期間の有無、再度借り入れするときの融資スピードなど異なる点がありますので、状況に合わせて選ぶと良いでしょう。
参考までに、カードローンとフリーローンの一般的な違いを下記にまとめました。
比較項目 | カードローン | フリーローン |
---|---|---|
借入回数 | 限度内で何度も可 | 1回 |
金利 | フリーローンより高金利 | カードローンより低金利 |
返済期間の有無 | なし | あり |
資金使途 | 原則自由(事業・投資資金等は不可。ただし一部例外あり) | 事業・投資資金等は不可 使途の申告が必要なこともある |
再借入の速さ | すぐに融資可 | 利用するたびに申し込みと審査が必要 |
管理しやすさ | 返済金額や残債を把握しながら借り入れ。 | 借り入れた後は返済のみに集中できる |
カードローンは限度額内であれば何度でも借入可能で、返済期間も決められていません。ただし、フリーローンより金利は高めで2回目以降も簡単に借り入れできてしまうため借り癖がつきやすいです。
フリーローンは1回のみの借り入れとなり返済期間も契約時に決められます。一度借りた後は返済に集中できるので返済計画を立てやすいでしょう。
再度借り入れする場合は新たに申し込みが必要で、そのときの状況により必ず審査に通るとは限りません。
ろうきんカードローン(マイプラン)は銀行よりも低金利

ろうきんのカードローン(マイプラン)は銀行よりも低金利なカードローンです。年5.275%~年8.475%で取り扱い店舗によって異なった金利が適用されています。
ろうきん店舗 | マイプラン金利 |
---|---|
北海道ろうきん | 6.80%~6.98% |
東北ろうきん | 4.00%~6.40% |
中央ろうきん | 3.875%~8.475% |
新潟ろうきん | 5.375%~7.775% |
長野ろうきん | 2.70%~5.10% |
静岡ろうきん | 4.275%~9.275% |
北陸ろうきん | 4.8%~11.5% |
東海ろうきん | 3.900%~8.550% |
近畿ろうきん | 6.000%~7.900% |
中国ろうきん | 5.375%~10.075% |
四国ろうきん | 6.025%~8.325% |
九州ろうきん | 6.0%~9.4% |
沖縄ろうきん | 5.1%~9.8% |
ろうきんの支店により金利は異なりますが、ほとんどのろうきんで上限金利は10%以下となっており、下表のように銀行と比較しても低金利となっています。
初めてカードローンを利用する際は最高金利が適用されることが多いため、銀行は最高金利が14%前後であるのに対し、ろうきんは年8.475%となっており6%ほど低いことがわかります。
金融機関 | カードローン金利 |
---|---|
ろうきん | 5.275%~8.475% |
三菱UFJ銀行(バンクイック) | 1.8%~14.6% |
三井住友銀行 | 1.5%~14.5% |
みずほ銀行 | 2.0%~14.0% |
イオン銀行 | 3.8%〜13.8% |
楽天銀行(スーパーローン) | 1.9%~14.5% |
たとえば、ろうきんのカードローン(最高金利8.475%)と楽天銀行スーパーローン(最高金利14.5%)で、10万円を60日借り入れた場合、ろうきんのカードローン利息が約1,393円、楽天銀行スーパーローン利息が2,384円となり、同じ金額を借り入れたのにもかかわらず、ろうきんは991円も安くなるのです。
銀行は金利を得ることで利益を出すことを目的にしていますが、ろうきんは非営利事業団体であり利益を出すことを目的としていないため、そのぶん金利を安くできるのです。
※金利は店頭・Web申し込み・会員構成員・提携生協組合員・一般を含む
消費者金融の金利は18%になっており、ろうきんよりも高金利です。しかし、最短30分でお金を借りられたりコンビニエンスストアのATMをカードレスで使えるなど、一時的な融資には最適です。
実際に借りたい金額と完済する期間を考えて使い分けるといいでしょう。
ろうきんを使っている人は金利優遇される
ろうきんのカードローン(マイプラン)では独自の条件で金利を引き下げており、ろうきんの利用状況に応じて最大年3.2%の金利を下げられます。
具体的な利用条件と金利引き下げ率は下記のとおりです。
給与振込指定 | 1.5% |
一般財形・エース預金 | 0.3% |
財形年金・財形住宅・年金受取エース預金 | 0.6% |
年金振込指定 | 1.5% |
有担保ローン・金庫扱い住宅金融支援機構融資 | 0.6% |
インターネットバンキング | 0.6% |
公共料金自動支払い(2種目以上) | 0.3% |
ろうきんUCカード | 0.3% |
Web通帳 | 0.6% |
若年者引き下げ(30歳未満) | 0.6% |
(2022年7月1日現在)
複数の金利引き下げ項目を利用した結果、年3.2%を超えた場合も年3.2%が上限です。
仮に、カードローン(マイプラン)の利率が年8.475%だったとしても、年3.2%の引き下げが適用されれば年5.275%でお金を借りられます。
カードローン(マイプラン)の申し込みの流れや必要書類
ろうきんのカードローン(マイプラン)の申し込み方法は、店舗窓口に直接出向く方法とホームページの仮審査申込からの2つがあります。
Web上の仮審査申込からなら、店舗に出向かずともいつでも申し込みが可能。仮審査申込からの手続きは、次のような流れですすみます。
- 仮審査申込ボタンをタップし申し込みフォームへアクセスする
- 仮審査の受付
- 営業店から連絡が入る
- 本申し込みの手続きをする
- 審査が行われる→融資の承認
- 契約完了後カードローンの発送
- 利用開始
ろうきんはすべての手続きでWeb完結できるのではなく、本申し込み時や契約時には店舗に来店しなければなりません。
本申し込み時には下記のような書類が必要になるため忘れずに持参しましょう。
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 収入証明書類(源泉徴収票、確定申告書、納税証明書など)
- 健康保険証
ろうきんのカードローン(マイプラン)は、申し込んでから実際に借り入れできるまで最短で2週間はかかるとみておきましょう。
というのも、仮審査と本審査でそれぞれ1週間程度、ローンカードの郵送にも数日かかるためです。急いでお金を借りたい人は、ほかのカードローンを検討したほうが良いでしょう。
ろうきんのカードローン(マイプラン)に申し込めるのは、次の条件を満たしている人です。
- 団体会員の構成員、生協会員組合員とその家族、一般の勤労者
- 満18歳以上満65歳未満(または満20歳以上満65歳未満)
- 安定継続した年収が150万円以上ある
- 同じ勤務先に1年以上勤務している(自営業者等は原則3年以上同一事業を行っている)
- ろうきんが指定する保証協会の保証条件を満たしている
申し込める年齢はろうきんによって異なっており、満18歳から借り入れ可能なところもあれば満20歳からになるところもあります。そのため、20歳未満で借り入れしたい人はお近くのろうきんに問い合わせしてください。
パートやアルバイトの人でも、同じ勤務先に1年以上勤めていて年収が150万円以上あれば申し込めます。
ろうきんのカードローン(マイプラン)の利用限度額は最高500万円までですが、すべての人が500万円まで借り入れできることはなく、実際の限度額は審査で決定します。
一般の勤労者の利用限度額は最高100万円までとなっており、審査で申込者ごとに利用限度額が決められます。
ATM引出手数料がキャッシュバックされる
ろうきんのカードローン(マイプラン)は、全国の金融機関やゆうちょ銀行、コンビニエンスストアのATMが利用できるうえ、お金を引き出した際の手数料が即時に口座へキャッシュバックされます。
手数料が実質無料で借り入れができ、無料回数に制限はありません。
インターネットバンキングも利用すれば、普通預金への入金や残高照会もできます。手数料はろうきんの同一店内あてであれば無料です。
給与振込もしくは年金振込をろうきんに指定している場合、インターネットバンキングの手数料は1ヵ月に3回までキャッシュバックされるので、3回以内であれば実質無料で振り込みできます。
一括してお金を借りたいならろうきん(労金)のフリーローン

ろうきんではカードローン(マイプラン)のほかにもフリーローンも取り扱っており、お金を借りる用途によってはフリーローンに申し込むという選択肢もあります。
カードローンとフリーローンの違いでも触れましたが、カードローンは利用限度額以内であれば何度でも借り入れと返済を繰り返せるのに対し、フリーローンは一度に必要な金額を借り入れ、あとは返済のみをしていく借入方法です。
資金使途は事業資金や投資資金等以外であれば自由ですが、資金使途を申告するよう求められることがあります。見積書や請求書などを提出できるよう準備しておくようにしましょう。
フリーローンでも13の金庫によって適用される金利が異なります。詳しい金利を下記にまとめましたので参考にしてください。
ろうきん店舗 | フリーローン金利 |
---|---|
北海道ろうきん | 5.60%~6.90% |
東北ろうきん | 変動型:4.800%~5.300% 固定型:5.000%~5.500% |
中央ろうきん | 5.825%~7.500% |
新潟ろうきん | 3.700%~4.200% |
長野ろうきん | 6.20% |
静岡ろうきん | 変動型:3.70% 固定型:2.50% |
北陸ろうきん | 変動型:4.525%~8.225% 固定型:5.700%~9.400% |
東海ろうきん | 2.50% |
近畿ろうきん | 2.700%~3.200% |
中国ろうきん | 8.775% |
四国ろうきん | 6.425%~7.425% |
九州ろうきん | 3.6%~8.2% |
沖縄ろうきん | 3.8%~9.8% |
フリーローンの金利は、お金の使用目的が明確なこともありカードローン(マイプラン)よりも低金利に設定されていますが、銀行のフリーローン(呼びかたは金融機関によって異なります)と比較すると高めに設定されています。
ろうきんのフリーローンの適用金利は、中央ろうきんを例にとると変動金利で年6.325%、固定金利で年7.500%です。
参考までに、金融機関のフリーローン適用金利をまとめてみました。
ローン名 | 金利 |
---|---|
ろうきん | 変動:6.325% 固定:7.500% |
みずほ銀行 多目的ローン | 変動:5.875% 固定:6.850% |
りそな銀行 多目的ローン | 借り換え以外:6.975% 借り換え:8.975% |
住信SBIネット銀行 多目的ローン | 2.975%~4.975% |
東京スター銀行 スターフリーローン | 1.5%~14.6% |
イオン銀行 フリーローン | 3.8%~13.5% |
みずほ銀行やりそな銀行、住信SBIネット銀行では、ろうきんよりも低金利に設定されていることがわかります。
とはいえ、東京スター銀行やイオン銀行ではろうきんの2倍以上の金利と設定されていることから、ろうきんのフリーローンは金利の低いローン商品のひとつといえます。
フリーローンの申し込みの流れや必要書類
ろうきんのフリーローンの申し込み方法は、カードローン同様に窓口に出向くかホームページの無担保ローン仮審査申込から手続きできます。
無担保ローンの手続きは下記のとおりです。
- ろうきんホームページの無担保ローン仮審査申込にアクセスする
- 仮審査を受ける
- 仮審査後営業店より連絡が入る
- 窓口で正式な申込書や契約書、必要書類を提出する
- 本審査を受ける
- 審査通過後に融資実行
原則として、借入金はろうきんが支払先へ利用者名義で振り込みをします。
ろうきんのフリーローンに申し込めるのは、次の条件を満たす人です。
- 満18歳以上で最終返済が満76歳未満
- 安定継続した年収が150万円以上
- 同じ勤務先に1年以上勤務している(自営業者等は原則3年以上同一事業を行っている)
- ろうきんが指定する保証協会の保証条件を満たしている
借り入れ条件は、カードローン(マイプラン)とほとんど同様です。パートやアルバイトであっても、継続した年収が150万円以上あり勤務年数は1年以上あれば申し込めます。
ろうきんのフリーローンは、資金使途やおおよその金額が決まっている場合の借り入れに適しています。というのも、必要な金額が一括して借り入れできるからです。
フリーローンの主な使い道としては、次のようなものが挙げられます。
- 結婚式などの冠婚葬祭費用
- 旅行代金
- 引っ越し代金
- 家具やパソコンなどの購入費用
- 趣味、カルチャースクールにかかる費用
- 他金融機関のローン借り換え
日常生活に必要なものへの出費のほか、ほかの金融機関で返済中のローンの借り換えにも対応しています。
2回目以降の借り入れは新たに申し込みが必要
フリーローンを利用して完済した後、また借り入れが必要になることもあります。
カードローンであれば、限度額を設定しておくと限度内において何度でも借り入れと返済を繰り返せますが、フリーローンは2回目以降の借り入れの際は新たに申し込みが必要です。
というのも、フリーローンの貸付形態は証書貸付となっており、1回の借り入れごとに金銭消費貸借契約証書を作成して、契約書に記載された金額を一度に借りる融資方法だからです。
そのため、新たにお金を借りる場合は、再度申し込みして審査を受け契約書を作成したうえで、契約した金額を借り入れします。
カードローンと比較すると2回目以降の借り入れスピードは遅いですが、借り過ぎを防げることや返済計画がたてやすいなどのメリットがあります。
限度額は最高500万円
ろうきんのフリーローンの限度額は最高500万円です。
ほかの金融機関と比較すると、メガバンクと同程度以上の限度額となっており特に少額というわけではありませんが、中には1,000万円まで借りられる金融機関もあります。
ほかの金融機関と限度額を比較すると下記のようになりました。
ローン名 | 限度額 |
---|---|
ろうきん | 500万円 |
みずほ銀行 多目的ローン | 300万円 |
りそな銀行 多目的ローン | 10万円~500万円 |
住信SBIネット銀行 多目的ローン | 10万円~1,000万円 |
東京スター銀行 スターフリーローン | 10万円~1,000万円 |
イオン銀行 フリーローン | 10万円~700万円 |
融資限度額が500万円とはいえ、冠婚葬祭や旅行代金、引っ越し代金などであれば500万円まであれば十分対応できるでしょう。
しかし、ほかの金融機関から借り換える場合は足りない可能性もあるため、高額融資を希望する人はほかのフリーローンを検討すると良いでしょう。
ろうきんは非営利を目的としているため低金利で借りられる

ろうきんのカードローン(マイプラン)やフリーローンなどのローン商品は、ほかの金融機関のローン商品と比較して低金利で借りられるという特徴があります。
それは、一般の金融機関は利益を追求することを目的として営業しているのに対し、ろうきんは営利を目的としていないため利息などから利益を出す必要がないからです。
そもそもろうきんとは、労働組合や生協などのはたらくなかまがお互いに助け合うためにお金を出し合って作った協同組織の金融機関で、福祉金融機関ともいえるものなのです。
ろうきんと銀行は準拠する法律や運営目的が異なる
ろうきんと銀行では、準拠する法律や運営目的、運営参加者、貸付対象において下記のような違いがあります。
経営基準 | ろうきん | 銀行 |
---|---|---|
準拠する法律 | 労働金庫法 | 銀行法 |
運営目的 | 非営利 | 営利 |
運営に参加できる人 | 構成員や会員みずから | 株主 |
貸付対象 | 主に個人 | 主に企業 |
ろうきんは労働金庫法に則って営業しており、銀行は銀行法に則って営業しています。
また、銀行が営利を目的としているのに対しろうきんは非営利で、運営に携わる人は銀行では株主ですがろうきんでは構成員や会員みずからが参加しています。
融資対象はろうきんでは個人への融資が約98%を占めているのに対し、銀行では約65%が企業向け融資となっており個人向け融資は約27%にとどまっています。
ろうきんの預金残高の約87%、融資残高の約98%が、個人の方とのお取引です。
引用元:ろうきんかんたんガイド
これらの点からも、ろうきんは構成員や組合員などの生活に役立つことを目的とした金融機関であることがわかります。
団体構成員・生協組合員・一般勤労者の違い

ろうきんでお金を借りられるのは、団体会員の構成員や生協の組合員、それ以外の一般の勤労者ですが、所属する組織でカードローン(マイプラン)やフリーローンをはじめとしたローン商品の金利の引き下げ率が異なり、最も優遇を受けるのは団体会員の構成員です。
というのも、団体会員の構成員は直接ろうきんに出資している団体の構成員なので、最もろうきんに貢献している度合いが高いと考えられるためです。
それぞれの会員は下記のように区分されています。
団体会員の構成員
団体会員の構成員とは、ろうきんに出資している団体に所属している人のことをいいます。
- 労働組合
- 国家公務員・地方公務員等の団体
- 勤労者のための福利共済を目的とした団体(一定の条件を満たしているもの)
※一部対象とならない場合もあり
勤務先で何らかの労働組合に加入している場合はすでに構成員となっているため、構成員としての低い金利が適用された借り入れに申し込みができます。
もし自分の所属している団体がろうきんに出資し加入しているかどうかわからないときは、ろうきんに問い合せると教えてもらえます。
生協の組合員
生協の組合員とは、ろうきんに出資している生協のうち、生協組合員融資制度を導入している生協の組合員と同一生計の家族のことをいいます(一部対象外の場合あり)。
自分が加入している生協がろうきんに加入しているかどうかは、「生協 ろうきん」で検索し公式サイトをご覧ください。
一般の勤労者
一般の勤労者とは、各ろうきんの管轄エリア内に住んでいる、または勤務している人で、団体会員の構成員や生協会員の組合員、その同一生計家族のいずれにも該当しない人のことをいいます。
一般の勤労者がろうきんでお金を借りたい場合は、まず居住地か勤務地を管轄しているろうきんがどこなのかを調べることから始めます。
一般勤労者がろうきんからお金を借りる際には、次のいずれかが求められます。
- ろうきん友の会に入会する
- ろうきんの個人会員として最低1,000円の出資金を拠出する
上記のいずれかがお金を借りる条件ですが、ろうきん友の会であれば入会金・年会費が無料で加入できるので、余計な出費をせずに済みます。
出資金は払い戻し請求できますが、手続きが必要であったり請求後すぐにお金がもどってくるわけではなかったりするため、ろうきん友の会が気軽に加入できるでしょう。
カードローン(マイプラン)やフリーローンでどのくらいの金利に差が出るのか、中央ろうきんで比較すると下記のとおりになりました。
カードローン(マイプラン)の金利比較
利用者区分 | 金利 |
---|---|
団体会員の構成員 | 3.875%~7.075% |
生協の組合員 | 4.055%~7.255% |
一般の勤労者 | 5.275%~8.475% |
最高金利を比較すると、団体会員の構成員は一般の勤労者よりも年1.4%優遇されていることがわかります。
フリーローンの金利比較
利用者区分 | 変動金利 | 固定金利 |
---|---|---|
団体会員の構成員 | 5.825% | 7.000% |
生協の組合員 | 6.105% | 7.280% |
一般の勤労者 | 6.325% | 7.500% |
フリーローンではカードローン(マイプラン)ほどの差がありませんが、団体会員の構成員は一般の勤労者よりも変動・固定金利で年0.5%の優遇を受けられます。
ろうきん独自の審査基準は甘い?ろうきんは一般の保証会社とも提携している

ろうきんでは、すでに紹介した申し込み条件を満たしていることが必須ですが、それだけでローン商品を利用できるわけではありません。
ろうきんは非営利団体であるため審査が甘いと思う人もいるかもしれませんが、お金を貸す以上審査はほかの金融機関と同様に行われます。
というのも、営利は追求していないものの貸したお金を返済してもらえないとローン事業が成り立たないからです。
つまり、一般的なカードローンと同じように申込者の返済能力が審査されるのです。
個人信用情報照会で金融事故を調査される
ろうきんではカードローン(マイプラン)やフリーローンなどのローン商品について、審査基準は明らかにしていません。
とはいっても、これはろうきんだけに限らず多くの金融機関も非公開としています。
ただし、ろうきんでも信用情報機関に申込者の個人信用情報を照会し、これまでにクレジットカードの支払いやローンで延滞したことはないか、債務整理はないかなどを調査します。
当金庫が加盟する個人信用情報機関に登録され、同機関および同機関と提携する個人信用情報機関の加盟会員によって自己の与信取引上の判断のために利用される
引用元:個人情報の提供ならびに利用について
ろうきんでは次の3つの個人信用情報機関に加盟しています。
個人信用情報機関名 | 加入団体の特徴 |
---|---|
株式会社 シー・アイ・シー(CIC) | クレジットカード会社や信販会社、銀行、消費者金融など加盟する金融機関数が最も多い。 |
全国銀行個人信用情報センター(KSC) | 全国銀行協会が設置し運営にあたっている。全国の銀行(メガバンク・地方銀行・信用金庫など)が加盟している。 |
株式会社 日本信用情報機構(JICC) | 加盟団体は消費者金融が5割以上を占める。クレジットカード会社、金融機関なども加盟している。 |
実際に、これら3つの個人信用情報機関の公式サイトで加盟団体を検索すると、ろうきん(労働金庫連合会)も表示されます。
つまり、カードローン(マイプラン)やフリーローンの申し込み審査にあたり、申込者の個人信用情報が審査されていることを意味しています。
ろうきんのローン商品の申し込み審査で個人信用情報を照会した結果、下記のような金融事故が登録されていると審査に通るのは難しくなります。
登録分類 | 内容 |
---|---|
長期の滞納 | ローンなどの返済が返済期日までに行われず、返済期日から61日以上または3ヵ月以上連続して滞納していること |
代位弁済 | 借入金等が返済不能に陥ったとき、保証会社が本人に代わり代理で返済すること |
強制解約 | 借入金等の延滞を繰り返した結果、借入先からの信頼が著しく低下し強制的に解約されること |
債務整理 | 債務整理(任意整理、特定調停、個人再生、自己破産)を行ったこと |
上記4つの金融事故が登録されていると、お金を貸した場合に返済してもらえるかどうかが不透明なため、返済能力が不安視され審査に通る可能性は低くなります。
しかし、これらの金融事故は一度登録された後ずっと消えないことはなく、ほとんどの金融事故が5年、最長でも10年で消えます。
これらの金融事故が記録されている場合は、所定の年数を待ってから申し込むと審査に通りやすいでしょう。
個人信用情報は金融機関だけでなく個人でも照会できます。自分の個人信用情報の登録状況を知りたい人は、インターネットで開示請求できます。
嘘の内容を申告してもバレるので厳禁
ろうきんのローン商品の審査を有利にしたいがために、年収を多く申告したり他社からの借入金額や件数を少なくしたりしても、個人信用情報を照会するとすぐにばれてしまいます。
というのも、ろうきんでは審査にあたり収入証明書類の提出が必要ですが、申告した年収と収入証明書類の金額が異なっていると嘘の年収を申告したことがすぐにバレてしまうからです。
他社からの借り入れ金額や件数も、個人信用情報を照会した際にすべて調べられるので、借り入れを少なめに申告してもやはりすぐにバレてしまうのです。
嘘の申告がバレてしまうと審査に落ちてしまうだけでなく、信用を失うことになり今後ろうきんに申し込んでも審査に通ることはほとんどないでしょう。
保証会社がほかの金融機関とは異なる
ろうきんのカードローン(マイプラン)やフリーローンを申し込む際には、ろうきんが指定する保証協会の保証基準を満たしている必要があります。
ろうきんが指定している保証協会は日本労働者信用基金協会です。
日本労働者信用基金協会(日本労信協)
引用元:日本労信協
1980年6月に全国の労働金庫などの寄付を得て設立された信用保証機関。利用者が健康で文化的な生活を営むために必要な資金を借り入れる際に、保証人となって円滑な融資が受けられることを目的とする。
つまり、ろうきんのローン商品の審査では、日本労働者信用基金協会が定めた基準で審査が行われているということです。
一般的な金融機関ではアコムやSMBCファイナンスサービスなどが保証会社となっていることが多いです。

保証会社は独自の審査基準を定めているため、ろうきんと一般的な金融機関とでは審査基準が異なります。
そのため、仮にほかの金融機関の審査に落ちた場合でも、ろうきんなら審査に通る可能性もあるでしょう。
ろうきんのカードローンやフリーローンは在籍確認がある
ろうきんのカードローン(マイプラン)やフリーローンを申し込むときに気になるのが在籍確認ですが、ほかの金融機関の場合と同様、在籍確認は原則として行われます。
ろうきんでは、申込書に記載した勤務先に本当に勤務しているかを調査します。
職場がわかれば毎月給与が支払われることになるので、返済できると判断されるのです。
電話連絡で会社にバレることを避けたい人は、在籍確認なしのキャッシングを利用しましょう。
在籍確認の方法は勤務先への電話連絡です。実際には担当者の個人名で電話があり、仮に本人がその場にいなくても在籍していることが証明できれば完了です。
外回りに出ている場合や休暇をとっている場合でも、電話に出た人がその旨を伝えてくれれば問題ありません。
とはいえ、やはり会社バレが不安という人もいるでしょう。
その場合は、同僚に何か聞かれた場合に備えて、クレジットカードの在籍確認だったといったような言い訳をいくつか考えておくのも良いでしょう。