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求職者支援資金融資でお金を借りるには?審査の基準や返済の方法

求職者支援資金

求職者支援資金融資は、厚労省が求職者支援制度として実施している職業訓練受講給付金の他に、低金利で最大10万円を借りることができる公的融資制度です。

職業訓練受講給付金だけでは訓練期間中の生活費や学費、交通費などの費用が不足する場合に、国からお金を借りることができます。

求職者支援資金融資

無職の状態で利用できるので、働く意思があるのにも関わらず仕事が決まらず悩んでいる人や、失業前にたくわえていた貯金が底をつき銀行や消費者金融など、どこからもお金を借りられず生活に困っている人に最適。

現在は働きながら職業訓練を受けて自分にあった資格を取得し、キャリアアップのために新しい仕事に就きたい人も利用できます。

目次

求職者支援資金融資とは再就職を目指す人向けの公的融資制度

求職者支援資金融資制度の目的は、職業訓練を受けながら仕事を探している人が安心して就職活動できるように経済的な支援することです。

職業訓練中に失業保険の給付が終わると収入が途絶えてしまい、多くの人が日常生活に困窮するため目先の収入が必要となり、思った通りの仕事に就けないことも。

現在はアルバイトなどで生計を立てているが、収入を上げるための勉強に使える資金がないという人もいるでしょう。

求職者支援資金融資を活用して生活を安定させれば、職業訓練や就職活動に専念する環境を整えやすくなります。

求職者資金支援融資の利率や返済方法は以下のとおりです。

金利年2.0%
年齢原則18歳~65歳(完済時)
保証人・担保不要
返済方法本人名義のろうきん口座から毎月月末に引き落とし
返済期間50万円未満:5年以内
50万円以上:10年以内
引用元:求職者支援資金融資のご案内

求職者支援資金融資は最大で毎月10万円を借り入れできる

求職者支援資金融資制度は最大で毎月10万円を借り入れできるため、職業訓練受講給付金の10万円と合わせると毎月20万円のお金を確保できます。

求職者支援資金融資制度で借り入れできる金額は、家族がいる人と単身者で異なります。

家族がいる場合は、月額の上限10万円×受講予定の訓練月数分を最大12か月まで借り入れることができ、合計すると120万円です。

単身者の人は、月額の上限5万円×受講予定の訓練月数分を最大12か月分となっており、家族がいる人の半分である60万円まで借り入れできます。

ハローワークが提供している求職者向けの支援訓練はハロートレーニングと呼ばれており、訓練期間は2か月から6か月となる求職者支援訓練と、資格や知識を得るために1年から2年などの長い期間を必要とする公共職業訓練があります。

例えば職業訓練の期間が1年以上になる公共職業訓練の科目は以下のとおり。

  • 自動車整備科
  • 介護サービス科
  • ICTイノベータコース
  • メカトロニクス科

求職者支援資金融資を借り入れできる月数は最大12か月分となっていても、同一訓練の受講月数が12か月を超える場合に限り、最初の12か月が経過するまでに再度手続きを行えば24か月まで借り入れを延長できます。

ハローワークで相談する中で、求職者支援訓練より公共職業訓練の方が就職のために適した訓練であるとハローワークが判断した場合は、公共職業訓練も受講可能であり、要件を満たせば、職業訓練受講給付金も受けられます。

働きながら正社員や異業種への転職を目指す人も借り入れできる

求職者支援資金融資制度は、再就職を目指す求職者を対象としているので、現在働きながら正社員や異業種への転職を目指す人も借り入れできます。

今すぐ転職することが条件ではないため、働きながらスキルアップを目指したい人も融資の対象です。

医療や金融に関するような特定の資格がないとアルバイトから正社員になれない職業や、自営業を廃業して再出発したい人でも借り入れが可能。

失業保険の受給が終了してもアルバイトで収入を得ながら職業訓練を続けたい人もお金を借りることができます。

職業訓練にかかる期間の目安はハローワークインターネットサービスの職業訓練検索で検索してみましょう。

求職者支援資金融資の借り入れ条件は厳しい?審査に落ちる理由

求職者支援資金を借りる流れ

求職者支援資金融資制度でお金を借りるには、職業訓練受講給付金の支給決定を受けていることと、ハローワークで求職者支援資金融資要件確認書の交付を受けていることが条件です。

求職者支援資金融資制度でお金を借りる流れ

  1. ハローワークで求職活動をおこなう
  2. 自分にあった職業訓練を探す
  3. 職業訓練受講給付金の支給決定を受ける
  4. 求職者支援資金融資要件確認書を交付してもらう
  5. ろうきん(労働金庫)の審査を受ける
  6. 求職者支援資金融資でお金を借りる

自分に必要な能力を習得できる職業訓練を見つけることができたら、訓練期間中の生活費を算出してみましょう。

職業訓練受講給付金を受給しても、アルバイトなどによる月収は8万円まで認められるので、職業訓練受講給付金として支給される10万円と合わせて毎月18万円の生活費は自力で確保することが可能です。

これらの収入を合わせても生活費が足りない場合に、求職者支援資金融資へ申し込むのがおすすめです。

求職者支援資金融資は低金利とはいえ返済が必要になるため、必要最低限の金額を借り入れるようにしてください。

求職者支援資金融資は公的な融資制度ですが、借り入れ先は各都道府県のろうきん(労働金庫)になり、金融機関と同様の審査を受ける必要があります。

求職者支援資金融資は職業訓練受講給付金の受給が前提

職業訓練受講給付金は、失業保険を受給しておらず転職や再就職を目指している人が職業訓練を受講している期間中に受け取れる給付金です。

職業訓練受講手当と自宅から訓練施設までの交通費が職業訓練期間の終了まで支給されます。

職業訓練受講給付金の内訳

  • 訓練受講手当(月10万円)
  • 通所手当(月上限42,500円)
  • 寄宿手当(月10,700円)

職業訓練受講給付金を受け取れる条件は以下のとおりです。

  1. 本人の月収が8万円以下
  2. 家族を合わせた月収が25万円以下
  3. 家族全体の金融資産が300万円以下
  4. 現在住んでいるところ以外に土地や建物を所有していない
  5. 全ての職業訓練に出席している
  6. 働く意志と能力がありハローワークで仕事を探している
  7. 職業訓練などの支援をおこなう必要があると認められる

月収とは、働いて稼いだ給料だけではなく不動産収入や年金なども含まれます。例えば同居している両親の年金や配偶者の給料を合計して月収25万円を超えると支給の対象になりません。

訓練期間が3か月から2年になる公共職業訓練は、主に失業保険を延長する「訓練延長給付」が前提となります。

しかし、雇用保険の被保険者であったことや自己都合による離職ではなく、整理解雇、病気、介護などの正当な理由による離職であり、ハローワークが必要と判断した場合は職業訓練給付金を受け取ることができます。

職業訓練受講給付金の支給要件チェックリストはこちら

求職者支援資金融資の申し込みは求職活動しているハローワークでおこなう

求職者資金支援融資を利用したい人は、最寄りのハローワークへ行き求職者支援資金融資要件確認書の交付を受ける必要があります。

申し込みに必要書類は以下のとおりです。

  • 運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類
  • 住民票(3か月以内に交付された原本)
  • 収入証明書
  • 給付金の振込先となる預金通帳の写し
  • 職業訓練に関係する書類
  • 受講申込書・事前審査書・職業訓練受講給付金要件申告書・職業訓練受講給付金通所届

その他の書類についてもハローワークが必要と判断した場合には提出を求められます。

求職者支援資金融資はろうきんの口座と審査を受ける必要がある

ハローワークで受け取った求職者支援資金融資要件確認書と、職業訓練受講給付金の支給決定を受けたことが分かる給付金支給記録などの書類をろうきん(労働金庫)に提出し融資の審査を受けます。

審査は日本労働者信用基金協会がおこない、収入や資産の確認の他、信用情報などが調査されます。

銀行や消費者金融と同じような審査になるので、過去に延滞した記録があったり働く意志が希薄で返済能力が足りないと判断されると審査に落ちる可能性も。

求職者支援資金融資は総量規制の対象外にはなりますが、他社借入が多い人も審査に落ちやすいといえるでしょう。

求職者支援資金融資の審査に落ちた場合は、市役所で申し込める生活福祉資金貸付制度を利用し国からお金を借りることもできます。

審査に通り融資が決まると、求職者資金支援融資はろうきんの口座に一括で振り込みされるため、口座を持っていない人は申し込みと同時に口座を開設してください。

ろうきんの口座開設を店頭で申し込む場合に必要な書類は以下のとおり。

  • 運転免許証等の本人確認書類
  • 印鑑
  • 個人番号カードまたは通知カード

事前にろうきんの口座を開設しておきたい人は、ろうきんアプリからも手続き可能です。

求職者支援資金融資の返済は5年から10年以内に分割払いで返済する

求職者支援資金融資の返済は、借り入れした翌月の月末日から開始され、本人のろうきんの口座から自動で引き落とされます。

訓練終了月から3か月後の末日までは元金据え置き期間で利息のみの返済となっているので、元金の返済が始まる前に就職先を見つけ安定した収入を確保しておきましょう。

訓練終了月から4か月後の末日から元金と利息を合わせた金額の返済が始まります。

求職者支援資金融資は、給付金ではなく借り入れなので利息を含め返済する必要があり、就職により返済が免除されることはありません。

金利2%で借入金額別の返済シミュレーションは以下のとおりです。

借入金額返済期間総返済額
50万円未満5年527,015円
50万円以上10年1,054,055円
引用元:ローン返済シミュレーション

返済日に引き落としができず延滞してしまうと、年14.5%の遅延損害金を支払わなくてはなりません。

支払い遅れの記録が残ると新たな借り入れの際に審査で不利になるため、返済日の前には預金残高の確認をしておきましょう。

職業訓練を途中で辞めると求職者支援資金融資は一括返済になる

求職者支援資金融資を借り入れできたとしても、以下のような事実が明らかになった場合は借り入れを全額一括で返済しなければなりません。

  • 職業訓練を途中でやめており、ハローワークに届け出を行わず不正に受給を続けている
  • 職業訓練の欠席を繰り返している
  • ハローワークの就職支援を拒否している
  • 職業訓練受講給付金が打ち切りになっている
  • 申請書類に虚偽情報があった

求職者資金支援融資制度の趣旨が、職業訓練を通じて再就職を支援するものであることから、訓練を完了しなければ融資条件に該当しなくなります。

特に不正受給と認めらえる時は分割返済の相談も受付してもらえないことも。

求職者資金支援融資制度の財源は税金なので、不正などに対するペナルティは厳しいと考えておきましょう。

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