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自分で作る年金!個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」のメリットとデメリット

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公的年金だけでは、老後の生活費用が準備できないという不安から、iDeCo(イデコ)への加入を考えている方も多いのではないでしょうか?

しかし投資をしたことがない人にとっては、分からないことも多く、本当に必要がどうか悩んでいる人も多いでしょう。

そこで今回はiDeCo(イデコ)の制度の詳細や、メリットデメリットなどをまとめて解説します。

目次

iDeCo(イデコ)は自分で作る年金制度

iDeCo(イデコ)は自分で年金を作ることができる制度です。

老後の生活費に不安を感じている人を中心に、年々加入者数が増えています。

ここではまず老後資金の準備手段としてiDeCo(イデコ)に注目が集まる理由や加入資格について見ていきましょう。

iDeCo(イデコ)に注目が集まる理由

iDeCo(イデコ)は個人型確定拠出年金の愛称で、確定拠出年金法に基づいて実施される私的年金制度です。

公的年金とは異なり加入は任意で、掛け金の上限が決められていますが、月々の掛け金や運用先を自分で選ぶことができます。

そのため運用先によっては、少ない資金でもしっかりと資金を増やすことが可能です。

最近では2000万円問題をきっかけに、老後の生活費に不安を感じている人を中心に注目を集め、加入者数が増えています。

国民年金基金連合会の調査によれば、2019年7月末のiDeCo(イデコ)の加入者数は前年同月比34%増の131万1045人。

7月は新規加入者が同8.5%増の3万6778人と、2000万円問題で従来の年金制度に対する不安の拡大から、自助努力が必要という認識が高まり、iDeCo(イデコ)への加入が増えたと考えることができます。

iDeCo(イデコ)の加入資格は?

iDeCo(イデコ)は20歳から60歳未満で、公的年金に加入している方なら加入できます。

そのため60歳以上の方、海外に住んでいる方、そして国民年金保険料を支払っていない方は加入できません。

そのため現役世代のほとんどの方はiDeCo(イデコ)の加入資格があると思って大丈夫でしょう。

会社員の場合は勤め先の企業年金のルールによっては加入できない場合があります。

iDeCo(イデコ)への加入は、会社に損害を与えるものでもなく、個人で積立していくので特に問題は無いはずです。

もし心配なら勤務先の総務部や人事などの担当部署に事前に確認しましょう。

iDeCo(イデコ)の4つメリット

iDeCo(イデコ)には掛け金が所得税控除の対象になるなどの4つのメリットがあることから、お得に年金を作れる制度だと言われています。

ここではまずiDeCo(イデコ)の4つのメリットについて詳しく紹介します。

掛け金が所得税控除の対象

iDeCo(イデコ)の掛け金は全額所得控除の対象です。

そのため毎年確定申告や年末調整の時に手続きをすることで、所得税や住民税を安く抑えることができます。

例えば年収500万円で、毎月2万円をiDeCo(イデコ)で積立てた場合、1年間の減税額は4万8千円です。

iDeCo(イデコ)の運用結果とは関係なく、毎年節税できるため、これだけでもかなりお得です。

運用益が非課税

投資信託で運用益が発生した場合は課税対象です。

しかしiDeCo(イデコ)の運用益は非課税のため、運用益をそのまま受け取ることができます。

通常の投資信託の場合

例えば運用益が2万円だった場合、通常の投資信託なら20.315%(=所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)の税金がかかるため、これらが控除されて受け取れるのが1万5,937円です。

一方iDeCo(イデコ)なら2万円そのまま受け取れるため、運用益をそのまま運用に回せるので、より少ない資金でお金を増やすことができます。

受取時の所得税を抑えることができる

iDeCo(イデコ)で運用したお金は60歳から70歳の間に受け取ることが可能です。

運用した資金は、一時金、年金、一時金と年金の3つのパターンで受け取ります。

どの受け取り方を選んだとしても退職所得控除もしくは公的年金控除の対象です。

そのためiDeCo(イデコ)なら、受取時の所得税も抑えることができます。

運用コストが安い

iDeCo(イデコ)で取り扱いされている投資信託は、一般的に販売されている投資信託と比べると、購入手数料や信託報酬など運用中のコストが安く抑えられているものが多いです。

投資信託の商品や販売会社によって異なりますが、購入手数料は購入金額の1~3%(+消費税)。信託報酬は純資産の総額に対して、年0.5~2%(+消費税)かかるのが一般的です。

特に信託報酬は毎年かかってしまうコストのため、少しでも抑えることで効率的に資金を準備することができます。

このように全体的に運用コストを抑えることができることは、iDeCo(イデコ)のメリットの一つです。

月々5,000円から始めることができる

iDeCo(イデコ)の場合は60歳までと長期間預けることができるので、月々の積立金が小さな金額だとしてもしっかり老後資金を準備するとができます。

また毎月の資金の余裕が生まれた場合、掛け金を増やすことも可能です。

iDeCo(イデコ)の2つデメリット

老後資金の準備のためにメリットばかりに思えるiDeCo(イデコ)ですが、老後資金の準備に特化した制度のため、それによるデメリットもあります。

そこで次はiDeCo(イデコ)のデメリットについて確認していきましょう。

60歳まで引き出すことができない

iDeCo(イデコ)は老後資金の準備が目的に制度です。そのため一度お金をiDeCo(イデコ)で預けると60歳までは引き出せません。

また60歳から受け取るためには一定の通算加入者期間が必要です。

通算加入者期間とは、加入期間と運用指示者期間を合わせた期間のこといい、掛け金を支払わずに運用した期間も含みます。

そのためもし転職や住宅ローンの支払いで、掛け金が支払えなくなってしまった場合は、掛け金の支払いを一旦とめるか、もしくは掛金の金額を減額するといいでしょう。

口座開設や維持費がかかる

iDeCo(イデコ)を始める際にはまずは口座の開設をします。

口座開設費用は最低でも2,777円必要です。それ以外にも運用を続ける限り最低月167円維持費が必要で、利用する金融機関によってはさらに維持費がプラスされます。

iDeCo(イデコ)は長期間運用することになるため、月額諸費用が少額でもトータルになると大きな金額になってしまうことも。

また別の金融機関に運用先を変更する場合は、金融機関によっては手数料が必要です。そのため加入時にはどのくらい諸費用が発生するか、事前に確認しましょう。

iDeCo(イデコ)の始め方

老後の生活費の準備方法として、iDeCo(イデコ)を始めたいと考えている方も多いのではないでしょうか?

そこでここではiDeCo(イデコ)の始め方について解説します。

掛け金を決める

掛け金は月々5,000円から1,000円単位で決めることができます。

ただし加入資格によって月々の掛け金の上限が決まっているため、まずはご自身の加入資格を確認してください。

加入資格ごとの掛け金の上限は次のとおりです。

加入資格掛け金の上限
自営業者(第1号被保険者)月額 6万8000円
年額 81万6000円
専業主婦(夫)(第3号被保険者)月額 2万3000円
年額 27万6000円
公務員月額 1万2000円
年額 14万4000円
会社員(企業年金がない場合)月額 2万3000円
年額 27万6000円
会社員(企業型確定拠出年金のみに加入)月額 2万円
年額 24万円
会社員(確定給付企業年金のみに加入もしくは、確定給付企業年金と企業型確定拠出年金の両方に加入)月額 1万2000円
年額 14万4000円

自営業者は会社員のように厚生年金がなく、国民年金のみしかないため、その分掛け金の上限が高く設定されています。

会社員の場合は勤務先の年金制度によって、掛け金の上限が異なるため、iDeCo(イデコ)に加入時は事前に担当部署へ確認しましょう。

2016年10月に実施された野村総合研究所の「iDeCoに関するアンケート調査結果」によれば、掛け金の月額平均額は、自営業者の場合は1万5千円前後、会社員や公務員等の場合は1万円前後でした。

iDeCo(イデコ)は一度預けるの60歳まで、お金を引き出すことができないので、最初は無理のない範囲でスタートするといいでしょう。

仮に途中で掛け金の支払いと続けるのが難しくなって場合は、1年に1度だけ掛け金の金額を変更できます。

そのため年に1回掛け金の見直しをするといいでしょう。

またどうしても掛け金の支払いが難しくなってしまった時は、いつでも掛け金の支払いを停止することが可能です。

また掛け金の支払いを停止したとしても、不利益を被ることはないので安心してください。

運用方法を決める

月々の掛け金を決めたら、次は運用方法を決めましょう。

iDeCo(イデコ)は自分で運用先を決めて、資産を増やすことができる私的年金制度です。

運用結果によって、資産が増えることもあれば、減ってしまうことも。

そのため運用方法を決める時にはある程度、資産運用に関して勉強してから選ぶようにしましょう。

iDeCo(イデコ)で運用できる商品は大きく分けて2種類の方法があります。元本が確保される元本確定型商品と、運用結果によって受け取る資金額が増減する投資信託です。

そのため元本割れせずに確実に老後資金を確保したい場合は元本確定型商品を、多少のリスクをとってでも、少額で資金を増やしたい場合は、投資信託を選ぶといいでしょう。

金融機関を決める

次に金融機関を決めましょう。

iDeCo(イデコ)を取り扱う金融機関のことを運用管理機関といいます。運用管理機関は国内に約160あるため、その中から1社を選びます。

どの金融機関にするか慎重に選びましょう。

手続きの流れ

運用管理機関が決まったら、資料を取り寄せましょう。

必要な書類はインターネット、コールセンター、窓口から請求することが可能です。申込書が届くまでに本人確認書類を準備したり、自分の基礎年金番号を確認しておきましょう。

申込書が届いたら、必要書類を揃えて運用管理機関に返送します。

書類が受理された後に、運用管理機関からお知らせが届き、そこから1~2ヶ月後に口座番号とパスワードが届いて、口座が開設します。

このように口座開設まで時間がかかってしまうため、iDeCo(イデコ)へ加入する場合は余裕を持って手続きを進めましょう。

iDeCo(イデコ)におすすめの金融機関

iDeCo(イデコ)を加入する時にどこの金融機関を選べばいいか迷ってしまう人も多いでしょう。

金融機関を選ぶ時のポイント
  • 自分が運用したい商品があるか
  • サービスが充実しているか
  • 手数料がいくらか

金融機関によって取り扱う商品が異なります。

そのため自分が運用したい商品のタイプを決めた上で、その商品を取り扱う会社をいくつかピックアップしましょう。

それから各社のホームページやパンフレットでサービス内容や手数料が確認し、どの商品にするか選んでください。

SBI証券

SBI証券は毎月の口座維持手数料167円と最安で、商品ラインナップが豊富です。

SBI証券のiDeCo(イデコ)専用商品にはオリジナルプランとセレクトプランの2種類があります。

初めての場合はセレクトプランを選ぶといいでしょう。

SBI証券のセレクトプランの中にある<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドはアップルやマイクロソフトなど、誰でも知っている先進国の企業の株に投資する商品です。

iDeCo(イデコ)は長期間お金を預かることになるため、継続して純資産の総額が増えている<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドはiDeCo(イデコ)の運用先として最適です。

楽天証券

ネット証券会社大手の楽天証券も口座維持手数料が月167円と最安値です。

また商品ラインナップも充実しています。

楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全米株式))と楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))は特に人気が高く、国内では取り扱いをしているのは楽天証券のみです。

また継続的に純資産を増えているセゾン資産形成の達人ファンドも長期間預かるiDeCo(イデコ)の運用先として最適です。

マネックス証券

ネット証券会社のマネックス証券も月々の口座維持費が月167円と最安です。

またマネックス証券では、ロボットアドバイザーによる無料のポートフォリオ診断を採用しています。

そのため簡単な5つの質問に答えるだけで、どのように商品を組み合わせたらいいか提案してくれるので初心者でも選びやすいでしょう。

「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018」で1位に選ばれたeMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、アマゾン、ジョンソン・エンド・ジョンソンなど先進国の有名企業の株を投資する商品でマネックス証券の商品の中でも特に人気を集めています。

松井証券

松井証券が取り扱うiDeCo(イデコ)の商品も月々の口座維持費が月額167円と最安です。

eMAXIS Slimシリーズなど信託報酬が比較的リーズナブルな商品が揃っています。

それ以外にも国内株式が中心のひふみ年金や海外債券を中心とした三菱UFJ DC新興国債券インデックスファンドなどの商品があります。

また大正7年創業で、創業100年以上と安心して長く付き合える体制が整っているのも支持されている理由の一つです。

イオン銀行

イオン銀行はイオンのショッピング内にあり、365日相談できるため投資初心者にとっては安心でしょう。

また口座管理手数料も月額167円と最安です。

イオン銀行の取扱商品の中でもたわらノーロード 先進国株式はアップルやFacebookなど世界的にも名だたる企業の株式が中心の商品で人気があります。

それ以外にも協和エクシオ、東京センチュリーなど国内外の大型株に40%及び残り60%を中小株に投資するひふみ年金もあります。

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